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第3分科会

分科会テーマ

03

反差別法の現状と課題を考える

~よりよい未来の共創のため~ 

担当

全国⻘年司法書士協議会 憲法委員会

場所

4階 405会議室

開催趣旨

2020年5月にアメリカで黒人男性が警官によって地面に押さえつけられ、膝で首を圧迫されて窒息する事件が起きました。

スマートフォンで一部始終が撮影された映像は世界中に拡散され多くの人が衝撃を受けました。

これを機に「黒人の命は大切だ」を意味する「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」への連帯が一気に加速していきました。 

いっぽう日本に目を向けると、在日コリアンに対するヘイトスピーチが繰り返し行われています。

2016年6月に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)」が成立しました。

これは日本で初めての人種差別・民族差別に関連する国内法で、重要な一歩であると言えます。

しかし、一向に止まないヘイトスピーチや朝鮮学校無償化除外問題、沖縄米軍基地問題、劣悪な入管収容に見られるように、外国人や民族的少数者に対する差別は解消されていません。 

ヘイトスピーチ解消法は、「ヘイトスピーチは許されない」という理念法のため罰則がなく、その実効性が保障されているとは言えません。

法律を改正してヘイトクライムを含む人種差別の禁止に関する包括的な法整備をするよう求める声がある一方で、ヘイトスピーチという言論内容の規制は、表現の自由に対する過度な制約だとする批判もあります。 

本分科会においては、表現の自由と反差別・多民族共生という二つの憲法的要請をどのように調整していくかを考えていきます。

第1部では講師の奈須祐治先生に、国際的視点から見た日本の現状と課題について講義をしていただき、第2部では憲法委員会メンバーを中心に参加者全員で反差別の実践についてディスカッションをし、研修会テーマである「よりよい未来の共創」が現実のものになるということを共有できる場にしたいと思います。

研修内容

第1部

基調講演

講 師 奈須祐治 氏

第2部

ディスカッション

講師紹介

講師

奈須祐治教授 
Nasu Yuji

所属

西南学院大学法学部

著書

『ヘイト・スピーチ法の比較研究』
(信山社) 

『ヘイトスピーチ規制の最前線と法理の考察』
(共著、 法律文化社)